※ご注意
この記事は息子が人食いバクテリアと呼ばれている劇症型溶連菌に感染した際の実際の体験を、記憶、LINEのメッセージ、写真などを元に書いたものです。
当時の私がそうであったように、人食いバクテリアに感染したご本人、ご家族、ご友人などは、わらにもすがる思いで回復した例が無いか探していると思います。
そんな方々がこの記事の例に少しでも希望を持てれば幸いと思い、息子の了承を得て公開することにしました。
私自身は医療関係者ではないため、治療方法、予後の処置、リハビリなど不正確な部分も含まれる可能性がありますこと、ご容赦願います。
特に治療やリハビリについては患者さんごとに状況が異なるため、この記事に書いてあることはひとつの症例であり、全ての人食いバクテリア感染者に有効なわけではないと思います。
実際の治療やリハビリの方針等は担当のお医者様や理学療法士の方と相談して頂く方が良いと思います。
なお、息子が今後、公開を拒むようなことがあれば予告なく非公開にすることがあります。
未だ目覚めず
この日もいつも通り午後、再び息子の病室へ向かう。
昨日、医師が睡眠薬はすでに切っていると言っていたので意識を取り戻していることを期待して病室へ。
めちゃめちゃ期待していたが、息子はまだ起きてなかった。
だが、反射の反応だけどゴホゴホと咳をしたりはしてると看護師さんが教えてくれた。
この日、医師から受けた息子の容体の説明は、
・起きない理由としては、脳のダメージで起きないケース、腎機能の低下で睡眠薬が体外に排出できていないケースの両方が考えられるので、まずCTを撮影した
・CTの画像見る限りだと大きな出血や脳梗塞はなかったが、脳が腫れた跡は見えるため、何かしらのダメージを受けた事は間違いない
・その影響がどう出るか、あるいは出ないのかも含めて判断する材料が今はまだなくてわからない
・腎臓はやはり調子が戻らず、透析をこれから開始する
・透析を始めて24時間くらいすれば睡眠薬は体外に排出されるはずなので脳のダメージでなければ目を覚ますはず
・透析を始めれば老廃物も排出できるため、点滴でがっつり栄養も入れられるようになることも考えると透析を始めるメリットのが大きいと判断した
・もう一つの懸念は右足の指先の色が戻らないことだが、医者達も壊死してないか、懸念が残っている
・最悪、維持出来ない可能性もある
説明を受けて、腎機能が戻っていなくて少し残念な気持ちもありつつ、透析を始めることで体の中の調子が戻っていくなら、さらに希望が持てそうだと思った。
妻はしきりに脳障害で起きないことを心配していたが、私にもその心配もあったが腎機能が戻っていない以上、睡眠薬(鎮静剤)が体から抜けないのだから起きないのは当たり前、とかなりポジティブに捉えていた。
少しずつ動くようになってきた
医師からも、透析を開始したが順調に透析できている、と聞けてまずは一安心。
だが、同時に尿量はあまり増えてないため、腎機能は戻ってきていない。
時折、頭や肩を動かすようになってきたので意識が戻る事を祈る。
この日、担当の医師に息子の状態で気になる点を聞いてみた。
この病院は医師が状態を説明してくれた後に必ず、何か聞きたいことはありますか?と言ってくれるので不安に思っているところを聞きやすくて、助かる。
心臓、肺、腎臓、肝臓が自律して動くように機能が戻るまでには何日くらいかかるのが目安か?
心臓が入院して5〜7日、肺は悪くないので大丈夫、腎臓が7〜14日くらいで良くなって欲しいところ。1ヶ月を過ぎると急性ではなくなり戻らない可能性が高い。肝臓は回復が早い臓器なので、血流などが安定している今の状態なら時間の問題で戻ってくる。
足の壊疽が確定したとすると足のどの辺りから切断になるか?
その人の状態によるので何とも言えない。指先だけの人もいるし、上から切る人もいる。踵を残す症例もある。
医師の説明の後もしばらく息子が起きないか見ていたが、結局この日は起きなかった。
だが、声に反応して動いているようにも見えたので、そのうち目を覚ますだろうと思えた。
コメント