※ご注意
この記事は息子が人食いバクテリアと呼ばれている劇症型溶連菌に感染した際の実際の体験を、記憶、LINEのメッセージ、写真などを元に書いたものです。
当時の私がそうであったように、人食いバクテリアに感染したご本人、ご家族、ご友人などは、わらにもすがる思いで回復した例が無いか探していると思います。
そんな方々がこの記事の例に少しでも希望を持てれば幸いと思い、息子の了承を得て公開することにしました。
私自身は医療関係者ではないため、治療方法、予後の処置、リハビリなど不正確な部分も含まれる可能性がありますこと、ご容赦願います。
特に治療やリハビリについては患者さんごとに状況が異なるため、この記事に書いてあることはひとつの症例であり、全ての人食いバクテリア感染者に有効なわけではないと思います。
実際の治療やリハビリの方針等は担当のお医者様や理学療法士の方と相談して頂く方が良いと思います。
なお、息子が今後、公開を拒むようなことがあれば予告なく非公開にすることがあります。
続く高熱
インフルエンザの診断をされてから、解熱したかと思うとまた熱が上がる。
1週間以上も熱が上がっては下がるを繰り返している息子。
この日を乗り切れば3連休で看病に専念できると、出社した金曜日の昼前に妻からLINE。
息子が病院で血液検査をした結果、緊急入院になったと。
この時、まだ私も妻もインフルエンザってこんなに厄介な感染症だったのか、程度にしか思っていなかった。
ただの高熱ではない
午後も妻から継続的に経過報告のLINEがくる。
入院先の病院で改めて色々と検査した結果、先生からは「全身の状態が非常に悪いため、何らかの細菌が血液に乗って全身に影響している可能性が高い」との診断。
抗生物質を点滴で全身に流しつつ、全身状態が悪い原因の特定を急ぐが、感染源がわけらないことも多い。
また、肺や内臓が悪いと髄膜に入って脳に入り込んでしまうこともあると。
この時私は、まだ全身の状態が悪い、というのがどういうことかまったくわかっていなかった。
後にわかるが、心肺機能、肝機能、腎機能、血液の循環などを測るあらゆる数値が基準値外ということだった。
その証拠に、13時過ぎに上記の連絡をもらっていながら、のんきに「17:30から打ち合わせ入れられたから帰りが20時を過ぎる」などと返事をしていた。
小児のICUがある病院へ緊急搬送
当初、入院する予定で搬送された病院での検査の結果、想像以上に息子の状態は悪くなっていた。
小児のICUを持たないその病院では十分に治療ができないとの判断で、救急車で小児ICUのある別病院で受け入れてくれるところを探すことが決まった。
妻から電話でその連絡をもらったため、これはただ事ではない、と思い始めた。
”思い始めた”というのはこの期に及んで、17:30からの打ち合わせを急遽、15時からに変更してもらい、大急ぎで伝達事項を共有して搬送先の病院へ向かった。
敗血症
職場から駅へ向かいながら、搬送先の病院が決まったか妻に聞いた。
受け入れ可能な病院は見つかったらしく、その病院への到着目安の時間や息子の様子などを向かう道中にLINEで妻に聞いた。
ここで告げられた息子の病名が「敗血症」だった。
正直、この時ようやく息子に命の危機が迫っていることを認識した。
敗血症なんてご高齢で体の抵抗力が弱まった方がかかる病気じゃないのかと。
そんな病気にかかっていたら、ICUじゃないと治療できないだろうと。
ただそんな状態でもなぜか息子が回復することは微塵も疑わなかった。
病名を聞いて、2,3日でどうにかなるものではないと思い、職場の上司に息子がICUに緊急入院になったためしばらく休む旨を伝えた。
こんなことを思いながら17時頃病院に到着し、面談室で妻と合流した。
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