体験談

【体験談】エピソード005 両下肢緊急手術(コンパートメント症候群)

体験談

※ご注意

この記事は息子が人食いバクテリアと呼ばれている劇症型溶連菌に感染した際の実際の体験を、記憶、LINEのメッセージ、写真などを元に書いたものです。

当時の私がそうであったように、人食いバクテリアに感染したご本人、ご家族、ご友人などは、わらにもすがる思いで回復した例が無いか探していると思います。

そんな方々がこの記事の例に少しでも希望を持てれば幸いと思い、息子の了承を得て公開することにしました。

私自身は医療関係者ではないため、治療方法、予後の処置、リハビリなど不正確な部分も含まれる可能性がありますこと、ご容赦願います。

特に治療やリハビリについては患者さんごとに状況が異なるため、この記事に書いてあることはひとつの症例であり、全ての人食いバクテリア感染者に有効なわけではないと思います。

実際の治療やリハビリの方針等は担当のお医者様や理学療法士の方と相談して頂く方が良いと思います。

なお、息子が今後、公開を拒むようなことがあれば予告なく非公開にすることがあります。

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突如鳴るスマホの呼び出し音

午後の面会に向けて、家を出る準備を始めようかと思っていた正午過ぎ、鳴って欲しくないスマホの呼び出し音が鳴った。

病院からだ。

息子の容体が急変したか、と緊張が走る。

妻が電話を終えて、病院からの連絡事項を教えてくれた。

両足のふくらはぎの手術の説明をするのですぐに病院に来て欲しい、と。

命に関わる急変でなくて良かった、と少し安堵した。

すぐに出発して病院に向かった。

血液がサラサラ過ぎて、出血があると傾く、と言ってたが、手術は大丈夫なのか?

メスを入れて傷ができる事によって新たな細菌感染が起きないのか?

私は医師ではないので考えてもどうにもならないのだが、病院までの道中、色々と考えてしまった。

血流維持のための応急処置手術

病室に着いて、医師から手術に同意するための説明を受けた。

・足の筋肉の血管が詰まっていて、腫れている事による他の血管の圧迫でさらに血流が悪くなっている可能性がある

・このままだと足が壊死してしまう可能性があるため、ふくらはぎを切開して開放する事で圧を常圧に戻して血流量を元に戻す応急処置をする

・リスクとしては手術による出血を補うための輸血によるアレルギーや、麻酔のアレルギー、切開箇所からの感染症

・基本的にはどれも今治療している事の延長

全て同意して、手術をお願いしました。

手術は成功

同意後、手術に入るため面談室に通されそこで待機した。

終わったら呼びにくるということだった。

その間、息子の状態などを家族に連絡したり、足の切断が必要な場合の手術とかを調べたりしていた。

1〜1.5時間の手術だと言っていたが、時間を過ぎてもなかなか呼ばれない。

何か良くない事が起こっていないか心配したが、ようやく手術が終わったことを告げられた。

その後、手術を担当した整形外科の医師が面談室に来て、手術の内容、手術が上手くいった事などを説明してくれた。

手術の内容は

・両足ふくらはぎの内側と外側の計4ヶ所を膝から足首に向かう方向で7〜8センチ切開した

・筋肉が見えるところまで切り腫れが引くまで開いた状態を維持する

・切開した事で血流が戻り血の通った正常な色になった事を確認できたので手術は上手くいったと言って良い

・血流が維持できる事はわかったので少しずつ腫れが引いてくれば足の切断等の心配は無いと思う

・今後、尖足と言って足首がだらんとしてつま先が下がってしまう状態を防ぐために、クッションなどを足の裏に当てる形でつま先が上を向いた状態をなるべくキープするようにするように、とのこと。

この時点で足の切断は100%無いとは言えないだろうけど、それでも無いだろうと言ってくれたという事はそれなりに確率は高いのだろうと勝手にポジティブに解釈した。

説明を一通り聞いた後、私から聞いてみた。

私:一度詰まった血管はもう回復しないのか?

医師:末端の毛細血管は詰まってもそこから新しい血管がわきに形成される。なので太い血管が詰まっていなければ意外と血流は維持される。

人体ってよく出来てるなと思った。

緊急手術を終えた息子

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